獣害トリアージマップ:作手菅沼地区(上菅沼)

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獣害トリアージマップ:作手菅沼地区(上菅沼)

13/11/06

H23 フェンス設置地区(上菅沼<上田ノ口、田ノ口、ワラビサワ>)H23・24_菅沼.pdf/>H23・24_2-2_菅沼.jpgのサムネイル画像
H24 フェンス計画地区(上菅沼<上田ノ口、田ノ口>)
・調査時期:平成24年9月17日、9月28日、11月11日
・調査内容
 フェンス設置個所・計画地区周辺にイノシシ、シカの痕跡が多数見られる。足跡・食痕だけでなく、糞(イノシシ)やネヤ(シカ)が見られ、生活圏の重なっているのがうかがわれる。
 H23フェンス設置個所の横の道路に沿って、イノシシの堀跡が連続してみられる。
 子連れ、兄弟と思われるイノシシの個体群が数群いると思われる。
 シカ・イノシシにフェンスを突破された箇所が田ノ口(北部GPSポイント161、東部GPSポイント116)、ワラビサワ(GPSポイント152)両地区で見られた。
 シカは、フェンスを飛び越え、田に侵入している。イノシシは、フェンスを設置した畦畔のやわらかい土の部分を探し、堀り抜き、田へ侵入、出入りを繰り返し、フェンス下部を大きく破損させている。フェンス突破部分への対策としてトタンが設置されたが、それもさらに持ち上げられて侵入を繰り返す箇所も見られた。また、突破箇所に丸太を括り付ける等の対策を行ったすぐ横から、さらに突破口を新たに作る箇所も見られる。
 当地区は、人家が集中する大平地区から離れ、夜は耕作地に人気が無くなる。現地の聞取りでは、夜中12:00にロケット花火を打つのを合図に獣の侵入が開始され夜長侵入が試みられているとのこと。マップを見ると、より集落から離れた場所からの侵入が行われているのが分かる。今後、「フェンスが突破できる」経験を引き継いだ獣がより大胆に獣害を拡大することが懸念される。H23 2-2 上菅沼.jpgのサムネイル画像
 特に、H24年フェンス対策が行われる田ノ口北部、上田ノ口地区では、ワイヤメッシュ等の設置やフェンス設置だけに頼らない獣害対策も合わせて行う必要がある。
 今後は、集落住民の獣害意識の向上(集落が連携した対策体制)・フェンス設置とその弱点の補完(網・電柵等の複合)・夜の見回り等夜間に人の気配を感じさせると共に、フェンスを恐れない個体捕獲を目的とした集中的(ただし、作手守義地区への影響を考慮する必要あり)+広域的・継続的な(既存のワナ捕獲実行等)捕獲対策を行う必要がある。

H24 フェンス計画地区(上菅沼<山中、海道、落合、大平>)H24_2-2_上菅沼.jpgのサムネイル画像
・調査時期:平成24年9月27日、11月11日
・調査内容
 イノシシ、シカの痕跡が見られる。当地域全面の休耕地・畑に、足跡・堀跡の痕跡が見られる。電柵等の対策はなされているものの田への侵入を許している箇所も見られる。
 特に、山中地区集落から少し離れ、谷の奥まる手前の地域にイノシシ・シカの侵入が集中している。ともに子連れ個体群であると考えられる。当地域のフェンス設置計画では、河川沿いの設置が一部なされないため、電気柵等の補完的な対策が必要とされる。1m程の護岸は超えて行き来する。また、フェンス設置以降も特に北部の、対策実施以前に獣の侵入を許した地域は、その弱点の補完・夜間に人の気配を感じさせると共に、広域的・継続的な(既存のワナ捕獲実行等)捕獲対策を行う必要がある。
 海道、落合、大平地区では、痕跡は少ないものの、広範に散逸してイノシシ・シカの痕跡が存在する。当地域の対策は、耕作地を部分的に囲った方法をとるために、周辺の休耕地等の対策が薄くなることが懸念される。人と獣の生活圏が重なれば、フェンス対策だけでは獣害は防げなくなる(例:上菅沼)。個別の耕作地での獣害対策のいたちごっこが始まった際、個人ではなく、集落で連携して対策を行えるよう集落住民の獣害意識の向上、集落が連携した対策体制づくりが必要とされる。

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