獣害トリアージマップ:作手野郷地区(野郷)
13/11/06
H23 フェンス設置地区(野郷)
・調査時期:平成24年9月14日、11月10日
・調査内容
H23年対策地域フェンス周辺でのシカ・イノシシの痕跡は多数見られるが、フェンス内への被害はない。
兵山の集落を中心に、兵山、カイツ、ナハテ、シトウ、宮口内にめぐらされたフェンスで広域に囲われている。地区外に伸びる道のゲートは、基本的に8時から解放、20時に閉められる。
聞取りでは、夏日が長い時期に、20時前にシカがゲートから侵入したが、朝の8時までフェンス沿いに移動を繰り返すだけで、獣害は発生せず、8時に解放されたゲートから出て行ったとのこと。フェンス沿いには、シカ・イノシシが多数見られ、糞なども見られ、侵入を伺い周辺にとどまっている様子が見られる。フェンスの弱点の補完(河川沿い等)と継続的な捕獲対策を講じ、フェンスの効果を向上・持続してことが求められる。
一方で、フェンスを設置していない周辺地域でのイノシシ・シカの痕跡は多数見られる。特に、R301を挟んだ、カイツ、ママシタ、アンゴロでは、電柵等の対策が行われていない休耕地に、多数の個体群(シカ・イノシシ共に子連れ・兄弟)が侵入を繰り返している。
ただし、同地域の個体群は新井、スクダイヒラ方面の山からのもので、フェンス設置の影響とはいえない。集落から見える範囲に、シカ・イノシシの糞が散乱し、休耕田がヌタと化すなど生活圏がすでに重なっている。今後は、耕作者の獣害意識の向上(耕作者が連携した対策体制)、広域的なフェンスの設置とヒトを恐れない個体捕獲を目的とした集中的(銃猟等)+広域的・継続的な(ワナ・くくり罠捕獲実行等)捕獲対策を行う必要がある。
また、フェンス設置地区住民だけでなく、野郷地区周辺住民・耕作者をも対象とした獣害実態の共有と獣害対策方法の情報提供(講習会等)の場の提供が望まれる。